2025年1月29日から31日まで東京ビッグサイトで開催された「TCT Japan 2025」において、KuraDaのフラッグシップヘッドホン「KD-Q1」が、産業用3Dプリンティング技術Multi Jet Fusionを採用した革新的な製品として、2つの主要ブースで紹介されました。

TCT Japan について

TCT Japanは、先進的な製造技術の総合展「Manufacturing World Japan」の一部として開催される、アジア最大規模のアディティブマニュファクチャリング（AM）・3Dプリンティング展示会です。設計・製造技術の専門展示会として、最新の3D技術や、材料、ソフトウェアなど、製造業における革新的なソリューションが一堂に会します。

本展示会では、3Dプリンティング技術の産業応用から、設計支援ツール、品質管理システムまで、製造業の未来を形作る幅広い技術やサービスが紹介されており、製造業の専門家や技術者にとって重要な情報交換の場となっています。

TCT Japanのウェブ・サイトはこちら

https://www.tctjapan.jp/

SOLIZEブース：製品開発と量産の事例として

SOLIZE株式会社のブースでは、Multi Jet Fusion技術による量産事例としてKD-Q1が展示されました。SOLIZEはKD-Q1の主要パーツの量産を担当する製造パートナーとして、Multi Jet Fusion技術を活用した高品質な部品製造を実現しています。

日本国内でMulti Jet Fusion技術による製造サービスを展開するSOLIZEは、KD-Q1の開発初期段階から製造技術の最適化に参画。従来の射出成形では実現が困難であった「軽量化と高剛性の両立」という課題に対し、Multi Jet Fusion技術のノウハウを活かした製造プロセスを確立しました。特にガラスビーズ入りナイロン素材（PA12GB）の特性を最大限に引き出す製造条件の最適化により、優れた音響特性と高い構造強度・耐久性を両立させています。

SOLIZE株式会社のウェブ・サイトはこちら

https://www.solize.com/

日本HPブース：革新的な製造技術の提供

日本HPのブースでは、3Dプリンティング・システムのメーカーとして、自社のHP Jet Fusion技術が実現した製造革新の事例としてKD-Q1が紹介されました。日本HPは、KD-Q1の製造に使用されているHP Jet Fusion 3Dプリンターの開発・製造元として、高精度かつ均質な品質を実現する製造システムを提供しています。

HP Jet Fusion技術は、従来の3Dプリンティング技術と比較して、より高い寸法精度と均質な物性値を実現できることが特徴です。KD-Q1のハウジング部品は、この技術により製造されており、試作品や実験用モデルではなく、実際に市場で販売される最終製品としての採用事例であることが高く評価されています。

株式会社日本HPの3Dプリンター詳細ウェブ・サイトはこちら

https://jp.ext.hp.com/printers/3d-printers/products/

技術革新がもたらす新たな可能性

KD-Q1におけるMulti Jet Fusion技術の採用は、オーディオ機器の設計・製造における新たな可能性を切り開く重要な一歩となりました。従来の製造方法では実現できなかった複雑な構造や、材料特性の最適化が可能となったことで、音響性能と構造性能を高次元で両立させることに成功しています。

今後の展望

今回のTCT Japan 2025での展示を通じて、Multi Jet Fusion技術の産業応用の可能性と、KuraDaが追求する「音質・耐久性・デザインの調和」の重要性が改めて確認されました。KuraDaは今後も最先端技術を積極的に活用し、より革新的で高品質な製品開発に取り組んでまいります。